−小学校受験をお考えのお父さん・お母さんへ(中編)−
時に、子どもからパルにも通いながら重ねて体操や絵画の別のところで習っているという話を聞きます。何で?と思いますが、きっと受験用の体操や絵の描き方をしないと受かりませんよ、と提案なさる塾があるのでしょう。
有名校を目指していたある子どものお母さんが、年中の途中で曜日を変更してくださいと申し入れをなさいました。理由を聞くと受験塾が11月から曜日を増やすように言っているので、ということでした。ため息とともに曜日変更に応じましたが、1ヶ月ほどでまたもとのクラスに戻りたいとおっしゃるのです。増やされた曜日は絵画の日ということで、その内容があまりに馬鹿げていて意義を感じられないのでやめたのだと言うことでした。
よその塾の足を引っ張ることを書くのは不本意ですが、その内容は焼き魚の皿を中央に、その脇にご飯を、上にみそ汁椀、そして漬け物の皿、etc。この内容を受験までに上手に書けるように訓練するというものでした。それから我々の間では「焼き魚定食の塾」と呼ばれていますが、この塾の考えは容易に想像がつきます。試験で家族との夕食風景などを絵に描きましょうという課題が出された時に、学校はその絵の中に家庭の様子や子どもが豊かに育てられているかを見ようとしている、それには1皿の料理ではなくバランスの取れた食事をしているように表現させようと言うことなのでしょう。でもこれを何ヶ月もかけて上手にさせるなんて!嘘のような、でも本当の話です。もちろんその他にも課題があったのでは、と信じたいのですが…。
横向きの顔の描き方の訓練をさせられたなどと言う例もあります。横向きが絵に現れてくるのは小学生になってから。しかも不完全な横顔から徐々に完全な横顔に変化していくものです。横顔が描けるほどに能力が高いということをアピールするための手段なのでしょうが、これが子どもの健全発達なのでしょうか。しかもこれが試験をする側から要求されているのでしょうか。否だと思います。きっちり塗りつぶしましょう、という指導も絵画を硬直化させます。 … つづく
幼児教室 パルクリエイション
代表 高崎 利子先生
→ 小学校受験をお考えのお父さん・お母さんへ(前編)
→ 小学校受験をお考えのお父さん・お母さんへ(後編)
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