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−ライフプランニングやライフリスクマネジメントについて(前編)−
今回はファイナンシャルプランナーの勝又千鶴子さんに教育資金や保険について寄稿頂きました。その前編です。
私は、FP(ファイナンシャルプランナー)という仕事をしています。お客様のライフプランニングやライフリスクマネジメントについてのご相談をお受けしています。
クライアントさんは、ご結婚された新婚カップルさん、マイホーム購入予定の方、お子様という新しいご家族が増えた方、将来のために貯蓄を始めたいとお考えの方・・・など様々です。
実は、こういったお客様とのお話の中でよく出てくるのが「お子様」の話題なんです。「お子様は何人欲しいとお考えですか?(新婚さんにによっては、ご主人と奥様のお答えが違うことも)」「お子様は、何歳ですか?」「何人兄弟ですか?」「習い事は何をされてるんですか?」等々。何気ないお話なんですが、そのお話からそのご家族のライフプランニングのお話が始まることが多いですね。
「大学まで私立だといくらくらいかかるものなのかしら?」「教育資金は、どうやって準備しておくべきなのでしょうか?」「塾のお金もバカにならないって聞くし…」「子供に保険をかけておいた方がいいんですか?」と、お子様のお話になると身を乗り出すのが、親御さんなのですね。でもその延長線上に、お子様に対する親としての責任をどう持っていくべきなのかという、本来の保障の考え方があると思います。
私の仕事柄、親としての「経済的な責任」という話が中心になりますが…。
こういった話は、非常に大切なことではあるのですが、おおっぴらにすることも少なく、誰に聞いたらいいのか分からず、先輩ママに相談することが多いのではないでしょうか?また、ひとくちに「親の責任」といっても何をどう考えたらいいのか分かりにくいものですし、難しそうで敬遠されがちです。それに、考え方は各ご家族の数だけあると思います。 せっかくこのコラムに書かせていただく機会をいただきましたので、身近な例や私のお客様の話などをもとにいくつかご紹介しましょう。
■ 親としての「責任」とは?
「どんなご家庭にしていきたいとお考えですか?どんな夢がありますか?」「ご両親ご自身は、どのように過ごしていきたいですか?どんな夢をお持ちですか?そしてお子様には、どんなふうに育って欲しいとお考えですか?将来どんな人になって欲しいと思いますか?」ご相談にいらっしゃるお客様には、これから先の「大きな夢」を描いていただきます。これが、一番の基本になります。もちろん、途中でどんどん変わっていって構いません。マイホームや自動車の購入・ご家族での旅行・趣味・仕事での成功・現役引退後の生活・・・ここにお子様の将来も加わってくると思います。
「それでは、それを達成するためにいつまでに何を準備していかなくてはいけないでしょうか?」もちろん、その時々、そのご家族における優先順位・お金のかけ方・貯め方があります。ただ、「今」だけでなく、「これから先」のことも少し考えながら、いろいろ思いをめぐらせワクワクしていただきたいと思います。こう考えると、「いつ・いつまでに」「いくら」資金があれば、夢がかなうかということが見えてきます。この作業だけで、その夢に確実に一歩近づいているということです。
いわゆるこれがこのご家族の『ライフプランニング』になります。 それと、もうひとつ。これらの夢をかなえる過程に出てこない「不測の事態」が起こった時に、いかに別の方法・手段でその夢をかなえていくのかも考えておく必要があるということです。これが『ライフリスクマネジメント』という考え方です。
一家の大黒柱が、入院された・亡くなられた・失業してしまった・・・と、本来なら考えたくないことですが、そんな場合でも、描いているその夢をどう完成させるか!なのです。やはり、この「夢」が基本になるのです。具体的には、公的な保障からいくら給付が出るのか・代わりにどのように収入を得るのか・貯めていた貯金を使うのか・保険を利用するのか…。どうすれば、夢がかなうのかという考え方です。 「親の責任」と一言で申し上げるには、大きすぎるテーマですが、家族ひとりひとりの将来を描き、どんな場合でもそれを実現させる、ということになるでしょうか。
■ 「子どもにいい保険ありますか?」というご質問
よくいただくご質問です。ご両親のおっしゃる「お子様のため・・・」を分解してみますと『医療保障』と『教育資金準備』の2つに分けられるようです。
まず、『医療保障』は、各市区町村で若干の違いはありますが、医療費の補助・免除制度があると思います。小さいうちは、いろいろ心配ですから、病院にいくことも多いかと思いますが、3〜6歳くらいまでは医療費がほとんどかからないことが多いようです。
いわゆる保険の「医療保険(特約)」は、入院や手術をしないと基本的に給付金は出ません。そうするとイメージしている医療保障とは少し違うかもしれません。保険であれば「傷害保険」なら利用価値が高いと思います。いわゆるケガや事故の場合の通院から給付が対象になります。又、ほとんどの場合、「賠償責任保険」といって、「他人にケガをさせてしまった」「お店の物を壊してしまった」場合などに対応できるものがセットになっています。お子様が小さいうちも心配ですが、部活などのスポーツなどを始められた場合でも利用範囲が広いと思います。
もうひとつの『教育資金準備』です。これは、どのご家庭でもなにかしら準備されています。「こども保険」とか「学資保険」というものですね。この低金利時代なので利回りという点では各社の大きな違いはないと思われます。保険の機能としてみた場合ですと、「お祝い金」の給付回数やタイミングに違いがあるようです。幼稚園や小中高校と入るたびにお祝い金が出る保険や、中学・高校・大学の特にお金がかかる時期に給付金を集中させる保険などです。ただ、この保険に先の「医療特約」を付けられているケースが見受けられます。本当にこの商品を貯蓄としてお考えであれば、この特約部分は貯蓄には回らないので、一考の余地はあるかもしれません。この『教育資金準備』については、次の項でもう少し詳しくお話してみたいと思います。
以前にお会いした方のお話です。「子どもが海外留学するので、保険に入ろうかと思って、見積もってもらったんです。」というお父様でした。内容を見せていただきましたら、なんと「お子様の死亡保険」でした。医療特約がついていましたが、「誰のための」=「誰が困らないための」保険だったのでしょうか?そのお父様と保険会社の方との間で想いが違っていたようです。
ちなみに、海外留学の場合は、まず「医療費用」を考えるべきでしょう。日本の健康保険はききませんし、医者にかかってもかなり高額の費用がかかります。それから「自分の持物」ですね。落として壊した・盗まれたという場合です。あとは、期せずして「他人に迷惑をかけてしまった場合」の賠償責任でしょうか。これらがセットになった「(長期)海外旅行傷害保険」という保険なら対応できます。日本の医療保険(特約)は海外での受診でも給付金は出ますが、入院して一日あたり5,000円が出るといった形式です。これに対し、この海外旅行傷害ですと、通院だけでも医療費全額(実費)が出ます。日本語カスタマーセンターも増えていますし、何よりも目的に合っている保険といえます。 …つづく
私は、FP(ファイナンシャルプランナー)という仕事をしています。お客様のライフプランニングやライフリスクマネジメントについてのご相談をお受けしています。
クライアントさんは、ご結婚された新婚カップルさん、マイホーム購入予定の方、お子様という新しいご家族が増えた方、将来のために貯蓄を始めたいとお考えの方・・・など様々です。
実は、こういったお客様とのお話の中でよく出てくるのが「お子様」の話題なんです。「お子様は何人欲しいとお考えですか?(新婚さんにによっては、ご主人と奥様のお答えが違うことも)」「お子様は、何歳ですか?」「何人兄弟ですか?」「習い事は何をされてるんですか?」等々。何気ないお話なんですが、そのお話からそのご家族のライフプランニングのお話が始まることが多いですね。
「大学まで私立だといくらくらいかかるものなのかしら?」「教育資金は、どうやって準備しておくべきなのでしょうか?」「塾のお金もバカにならないって聞くし…」「子供に保険をかけておいた方がいいんですか?」と、お子様のお話になると身を乗り出すのが、親御さんなのですね。でもその延長線上に、お子様に対する親としての責任をどう持っていくべきなのかという、本来の保障の考え方があると思います。
私の仕事柄、親としての「経済的な責任」という話が中心になりますが…。
こういった話は、非常に大切なことではあるのですが、おおっぴらにすることも少なく、誰に聞いたらいいのか分からず、先輩ママに相談することが多いのではないでしょうか?また、ひとくちに「親の責任」といっても何をどう考えたらいいのか分かりにくいものですし、難しそうで敬遠されがちです。それに、考え方は各ご家族の数だけあると思います。 せっかくこのコラムに書かせていただく機会をいただきましたので、身近な例や私のお客様の話などをもとにいくつかご紹介しましょう。
■ 親としての「責任」とは?
「どんなご家庭にしていきたいとお考えですか?どんな夢がありますか?」「ご両親ご自身は、どのように過ごしていきたいですか?どんな夢をお持ちですか?そしてお子様には、どんなふうに育って欲しいとお考えですか?将来どんな人になって欲しいと思いますか?」ご相談にいらっしゃるお客様には、これから先の「大きな夢」を描いていただきます。これが、一番の基本になります。もちろん、途中でどんどん変わっていって構いません。マイホームや自動車の購入・ご家族での旅行・趣味・仕事での成功・現役引退後の生活・・・ここにお子様の将来も加わってくると思います。
「それでは、それを達成するためにいつまでに何を準備していかなくてはいけないでしょうか?」もちろん、その時々、そのご家族における優先順位・お金のかけ方・貯め方があります。ただ、「今」だけでなく、「これから先」のことも少し考えながら、いろいろ思いをめぐらせワクワクしていただきたいと思います。こう考えると、「いつ・いつまでに」「いくら」資金があれば、夢がかなうかということが見えてきます。この作業だけで、その夢に確実に一歩近づいているということです。
いわゆるこれがこのご家族の『ライフプランニング』になります。 それと、もうひとつ。これらの夢をかなえる過程に出てこない「不測の事態」が起こった時に、いかに別の方法・手段でその夢をかなえていくのかも考えておく必要があるということです。これが『ライフリスクマネジメント』という考え方です。
一家の大黒柱が、入院された・亡くなられた・失業してしまった・・・と、本来なら考えたくないことですが、そんな場合でも、描いているその夢をどう完成させるか!なのです。やはり、この「夢」が基本になるのです。具体的には、公的な保障からいくら給付が出るのか・代わりにどのように収入を得るのか・貯めていた貯金を使うのか・保険を利用するのか…。どうすれば、夢がかなうのかという考え方です。 「親の責任」と一言で申し上げるには、大きすぎるテーマですが、家族ひとりひとりの将来を描き、どんな場合でもそれを実現させる、ということになるでしょうか。
■ 「子どもにいい保険ありますか?」というご質問
よくいただくご質問です。ご両親のおっしゃる「お子様のため・・・」を分解してみますと『医療保障』と『教育資金準備』の2つに分けられるようです。
まず、『医療保障』は、各市区町村で若干の違いはありますが、医療費の補助・免除制度があると思います。小さいうちは、いろいろ心配ですから、病院にいくことも多いかと思いますが、3〜6歳くらいまでは医療費がほとんどかからないことが多いようです。
いわゆる保険の「医療保険(特約)」は、入院や手術をしないと基本的に給付金は出ません。そうするとイメージしている医療保障とは少し違うかもしれません。保険であれば「傷害保険」なら利用価値が高いと思います。いわゆるケガや事故の場合の通院から給付が対象になります。又、ほとんどの場合、「賠償責任保険」といって、「他人にケガをさせてしまった」「お店の物を壊してしまった」場合などに対応できるものがセットになっています。お子様が小さいうちも心配ですが、部活などのスポーツなどを始められた場合でも利用範囲が広いと思います。
もうひとつの『教育資金準備』です。これは、どのご家庭でもなにかしら準備されています。「こども保険」とか「学資保険」というものですね。この低金利時代なので利回りという点では各社の大きな違いはないと思われます。保険の機能としてみた場合ですと、「お祝い金」の給付回数やタイミングに違いがあるようです。幼稚園や小中高校と入るたびにお祝い金が出る保険や、中学・高校・大学の特にお金がかかる時期に給付金を集中させる保険などです。ただ、この保険に先の「医療特約」を付けられているケースが見受けられます。本当にこの商品を貯蓄としてお考えであれば、この特約部分は貯蓄には回らないので、一考の余地はあるかもしれません。この『教育資金準備』については、次の項でもう少し詳しくお話してみたいと思います。
以前にお会いした方のお話です。「子どもが海外留学するので、保険に入ろうかと思って、見積もってもらったんです。」というお父様でした。内容を見せていただきましたら、なんと「お子様の死亡保険」でした。医療特約がついていましたが、「誰のための」=「誰が困らないための」保険だったのでしょうか?そのお父様と保険会社の方との間で想いが違っていたようです。
ちなみに、海外留学の場合は、まず「医療費用」を考えるべきでしょう。日本の健康保険はききませんし、医者にかかってもかなり高額の費用がかかります。それから「自分の持物」ですね。落として壊した・盗まれたという場合です。あとは、期せずして「他人に迷惑をかけてしまった場合」の賠償責任でしょうか。これらがセットになった「(長期)海外旅行傷害保険」という保険なら対応できます。日本の医療保険(特約)は海外での受診でも給付金は出ますが、入院して一日あたり5,000円が出るといった形式です。これに対し、この海外旅行傷害ですと、通院だけでも医療費全額(実費)が出ます。日本語カスタマーセンターも増えていますし、何よりも目的に合っている保険といえます。 …つづく
アセットガーディアン株式会社
勝又千鶴子さん
→ ライフプランニングやライフリスクマネジメントについて(後編)はこちら
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