コラム「絵を描く楽しさを多くの子どもたちに伝えたい(前編)」|幼児教室探しの『幼児教室どっとこむ』

−絵を描く楽しさを多くの子どもたちに伝えたい(前編)−

■子どもの絵は自己表現
子どもたちはおしゃべりが大好き。絵を描く前にひと時よく話をします。幼稚園や保育園、学校でのその日の出来事。おもしろいものを発見したこと。お友だちのこと。飼っている虫や動物のこと。全部しゃべらないと落ち着きません。最後まで話し尽くせないときは、話したい内容を絵に描いていきます。

おしゃべりは子どもたちにとって、イメージをつくったり、考えをまとめるための、なくてはならないもののようです。子どもたちは、楽しかったこと、おもしろかったこと、発見したこと、驚いたこと、頭にきたこと、何でも私たちに聞いてもらいたいのです。分かってもらいたいのです。その手段として子どもたちは絵を描こうとします。絵は子どもたちの自己表現であり、またコミュニケーションの手段になっています。周りにいる大人が、きちんと受けとめることが大切です。

■子どもの絵には、感動がいっぱい
子どもたちの生活の中で「遊び」はとても重要なものです。冒険したり、ケンカをしたり、仲良しになったり、いろいろな生活の体験、経験の積み重ねの中からイメージも大きく広がっていきます。
子どもたちには、自然にもっともっと触れたり、いろいろな人との交流をもってほしいと思います。その時々の感動や発見、自分自身で考えたことなどが豊かな表現への原動力となるでしょう。大好きなマンガのヒーローやゲームのキャラクターも、子どもたちは夢中になってたくさん描きます。その中に自分を重ねたり、空想の世界で遊んでいるのです。
子どもたちの絵は、その時だけしか描けない貴重なものです。どんな表現であろうと、その子のその時のたった1枚の絵なのです。モチーフに向かうとき、いっしょうけんめい見て、考えて、心をこめて描いた絵はどんなに幼い表現であっても、心を引き付ける魅力をもっています。それはその子の思いや、心が感じられるからでしょう。私たち大人はそんな子どもたちの表現のひとつひとつを大切に認め、見守っていかなければならないと思います。
子どもたちはどの子も、表現する力をもっています。それをどう引き出して育ててあげられるか、それは大人の責任でもあります。

■子どもの表現を認め、受けとめることから始まる
子どもたちは表現したいと思っても、自分の思うように描けなかったり、上手に描けないことで描かなくなることがあります。
しかし、対象を正確に写し取ることだけが表現の善し悪しではないはずです。自分が表現したものを評価されないということは、とても悲しいことです。そして「自分は絵がへただ、描けない」という壁をつくってしまいます。どんなに小さくても、弱くても、大切なその子の表現を私たちは認めて、受けとめることから始めなければなりません。
「描けない」という壁をどうしたら打ち砕けるか、その工夫と手立てを思案していかなければなりません。   … つづく

絵画教室アトリエえるぶ
主宰 田中 経子 先生
※現在教室は閉鎖しました

 → 絵を描く楽しさを多くの子どもたちに伝えたい(後編)

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